文章は意味のあるかたまりで切ろう。無意味に接続詞を使ってはいけない。

こんにちは。てぃろです。

これまでもよく文章や報告の書き方を書いてきましたが、今回はその中でもより細かい「接続詞」の話です。

報告に慣れていないと、すごく丁寧にしようとして言葉遣いが変になったり、焦って書いて見直す暇もなかったりというので変でわかりにくい文章を書いてしまう人がいます。

こういう文章の書き方というのは学校で習うこともなければ、仕事で教えてもらうことも少ないので仕方ないようにも思います。だからこそ、これができるだけでかなり仕事がスムーズにできて、周囲から頭一つ抜けることができるというものです。

少し簡単な例も挙げながら、説明していこうと思います。

わかりにくい文章は接続詞を無意味に使いすぎる

たまに見るわかりにくい報告文章でこんなのがありました。(適当な例なのはご容赦を…)

顧客から画面が表示できないと連絡されており、このチームではその原因調査にあたっており、修正できるかは不明であり、何かわかりましたら連絡します。

おりおり言い過ぎ!ということですね。これは「順接」で文章をつなげていると思うのですが、つなげるべきではなさそうな情報が多くつなげられていて理解しづらくなっています。

私なら、こんな風に書きます。

顧客から画面が表示できないと連絡を受けましたので、このチームでその原因調査にあたっています。
修正できるかは不明です。何かわかりましたら、連絡いたします。

「おり」という接続詞は使いませんでしたが、きっちり書くことができていると思います。

少しググってみるとこんな記事もありました。

この記事を読むと、接続詞の種類や意味や例文も書かれています。

ここで接続詞の意味を注意深く見ると、接続されている前後の文章の意味がどのようにつながっているかで使い分けることが改めてわかると思います。

つまり、文章を無意味につなげすぎてもよくなければ、正しくつながないと意味がわからなくなるということなのです。

事実や状況など、意味のあるかたまりで文章を分ける

接続詞の意味を見直した今考えるべきは、どんな風に文章をつなげるべきなのか?です。別の言い方をすれば、どのように文章を分けるべきなのか?ということです。

今回の文章で言いうと「事実」と「状況や課題」と「今後の動き」をきちんと分けて書くことがポイントです。

今回でいうと、以下のように分けられます。

  • 事実 -> 顧客から画面が表示できないと連絡を受けましたので、このチームでその原因調査にあたっています
  • 状況や課題 -> 修正できるかは不明です
  • 今後の動き -> 何かわかりましたら、連絡いたします

このように分かれると非常にわかりやすくなったかと思います。

つまり、「意味のあるかたまり」で文章をきっちりと分けるということです。

事実の中では、「顧客からの連絡」が原因となって「調査をする」という流れになっています。そのため順接の「ので」を使いました。最初の例文の「おり」も意味は通りますが、原因をつなげる接続詞としては「ので」のほうがわかりやすいかと思って私は書き直しました。

次に状況や課題は、元の文章では「おり」で接続していましたが、それでは「原因調査をしているから修正できるかは不明」ということになり意味が通じません。ここはほかの接続詞を使うか文章を切るのが妥当でしょう。私の場合は事実と明確に分けたかったので文章を分けることにしました。

今後の動きも同様です。前の文章からの「順接」では意味が通りませんし、意味のかたまりとしても別なので文章を分けています。

このように短い文章の中でも、意味のかたまりやその連なりによって書き方を変えれば意味のわかりやすさはぐっと上がります。

そもそもわかりやすい文章か見直そう

そもそもですが、文章の前後を接続詞でつなげる意味があるのか?を見直すことが必要です。一回読み直してみて自分でもわかりづらいな…と思ったら誰にとってもわかりづらいものです。

さらに言えば、報告文章は口語文ではないので、きちんとした文体で書かないと伝わりません。少し時間が経ってから読み直してみて分かるような文章ではないと記録としても意味がないので、組織としての学びにもなりません。

ここで「自分で読んでもわからないんだよ…」という人はその見なおしたときに頭が冷静ではない可能性があると思います。

見直しは書き終わった直後にしてはいけません。書いた直後は頭がその文章を書いているときの勢いを持っていて書き出した文章を正しいと認識しやすいです。実際正しいと思ってるからそうやって書き出しているんですからね。

なので、一度その報告書を閉じて休憩して冷静になってからもう一度見直しましょう。そうすると「なんでこんな文章書いたんだ…」と思うようなことがあります。一度試してみてください。

私の場合は、報告書は必要な日の前日には一度書ききって、一晩おいてから見直すようにしています。これが一番冷静になり頭をリセットして文章を見直せる方法だからです。睡眠しておくと考えていたことが整理されて文体を直すというだけでなく、論理の間違いにも気づきやすくなります。

最後に

今回は「接続詞」に注目して報告文章の書き方の例を示しました。

たかが報告文章と思うかもしれませんが、この一文で一瞬で意味が通じるか、意味も通じず正確な報告ができなかったか、では仕事の生産性には天と地ほどの差が出ます。

日本語をうまく使うことは、日本語を仕事で使っている以上非常に重要なスキルです。エンジニアであれば設計書を書く必要があるので、別の書き方を覚える必要もあるでしょう。

過去私が大学のときに学んだ文章作成技術の本がこちらです。文章作成の基礎はこれで身に着けることができると思います。その上で仕事で使っている文章を見直してみるとよいのではないでしょうか。

理科系の作文技術 (中公新書 624)